オフィス「和み」

ネットで「小学校教育」を支援・助言します。

いじめ対応訪問資料4
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YAHOOニュース(R3.4.18)に「いじめのピークは小学校2年生 低学年ほど注意を
(『不登校新聞社』編集長 石井 志昴氏)を参考に加え

1.いじめの「SOS 3パターン」
いじめから子どもを守るためには、いち早くSOSを受け取る必要があります。しかし、ほとんどの子はSOSを言葉で発しません。いじめられていたことを恥じていたり、親に心配をかけたくないと思ったりしているからです。ただし、ストレス度の高い子どもは、かならず行動や体調が変化します。つまり体からSOSのサインを出すのです。そのパターンは3つあります。
 1つ目のパターンは「体のサイン」。体調が崩れやすくなったり、発熱や頭痛、食欲不振など体に異変が起きます。
 2つ目は「心のサイン」。イライラしやすくなったり、突然泣き始めるなど感情の起伏が激しくなります。
 3つ目は「行動のSOSサイン」。急に甘え始めたり、兄弟やペットをいじめ始めたり、お風呂やトイレが長くなるなどふだんとはちがった行動の変化を見せます。
 これらのSOSサインが一つでもあてはまれば不安ですが、複数、重なるようだと周囲の大人は勇気をもって子どもへの心のケアを最優先してほしいと思います。また、SOSサインが出る前にできること、子どもがSOSを出しやすくなる関係性づくりも重要です。
 一番の方法は子どもとの雑談を楽しむことです。大人からは「注意されるだけ」という子もたくさんいます。「手洗いはした?」「宿題はした?」「まだ着替えていない?」などの言葉は会話ではなく注意です。子どもが望んでいることの1つが、自分が楽しかったことやゲームでうれしかったことを誰かに聴いてもらうことです。半分以上、話の内容がわからなくても、「へー、くわしいね」「おもしろいね」と言ってくれたら、子どもの気持ちはだいぶ晴れやかになります。
子ども一人一人の姿をよく観て、小さな変化に気づく。
①登校時刻、欠席状況、持ち物や宿題の提出、服装、言葉遣い等、基本的生活習慣の乱れ。
②授業中の姿勢、態度、発言の様子など、学習の集中度の変化にいち早く気づく。
※ 「話しやすい・相談しやすい」教師。保護者にとっても。

小学校低学年のいじめがいじめ件数のピークになった理由の1つは調査の定義が変わったこと。数年前から文科省は、ひやかしや悪ふざけと言った軽微な事例も報告するよう文科省が求めており、これに応じて小学校低学年のいじめ件数は増えした。中学1年生がいじめのピークだったのが、小学校2年生に移ったのは2016年度の統計からです。現場の教員に聞くと、小学校低学年の場合、「いじめられた」と訴える子は、そもそも多かったそうです。6年前、小学校教員は「クラスの4割ぐらいの子はいじめられたと答える。そのなかで悪ふざけやけんかの類は精査していた」と話していました。それが最近では積極的な報告が求められ、小学校低学年のいじめ件数が増えたと考えられてしまう。
 もう1つの要因は、実際に小学校低学年時のいじめ自体が増えたこと。不登校の子たちなどを長年にわたり見てきた西野博之氏(NPO法人フリースペースたまりば理事長)は、いじめの低年齢化を「肌で感じる」とも言っていました。人間関係を築きづらい子が増えており、暴発してしまう子も増えてきたそうです。西野氏によれば、いじめが増えたのは子どもの性格が悪くなったわけではなく「小さいころからストレスを貯めこむ子が増えたからだ」と指摘しています。
 その背景にあるのが早期教育。幼稚園や保育園のころから、学校に適応するための教育が盛んになり、手遅れにならないようにと習い事を掛け持ちする子が増えてきました。早期教育自体は、以前からも言われていたことですが、ここ最近はとくに教育の前倒しが進んでおり、西野さんは「子どもたちの生きづらさはピークに達している」と言います。
 30年以上にわたり、小学校教員を務めてきた先生も「子どもたちが苦しそう」だと指摘していました。チャイムが鳴る前に座る、私語禁止の給食、班ごとに決めたマナーやルールを守らせるなど「子どもたちに求められる規範意識は年々、高くなってきていて、子どもがすごく息苦しそうだ」と。高い規範意識を求められた子どもたちは、表面上は「よい子」や「問題のない子」に見えるものの、仲間内で暴力が横行してしまう、あるいは、ごく少数の子がそのストレスを爆発させてしまうそうです。

3.いじめの現状を把握するための「アンケート」は、子どもと保護者とで、話し合って回答。
①いじめアンケートを知らない保護者がいる。我が子の状況を把握する機会を持つ。
②「いじめられている」だけではなく「いじめている」も項目に入れる。
※ 学校教育と家庭教育が同じ方向で進まないと子どもは育たない。
    小学校教育での保護者の存在は、いじめの抑止・防止に効果絶大である。
※ 「話しやすい・相談しやすい」教師。保護者にとっても。
4.「私事化」を理解して、教育を展開。
私事化は、今までのように組織や集団に意味を見出すのではなく、私生活の中に意味を見 出す考え方。極論→社会規範ではなく自分流の価値観で物言いをする!
※ 教師は「集団」を大切にしたい。しかし、保護者は「我が子だけ」を大切にしてほしい。
(例)私の子どもが悪いことをしたのは分かりますが、先生の怒り方で家の子は「学校へ行きたくない」と言っています。不登校になったらどうしますか? 
(答)教師が一方的に「指導・指示・説教」するのではなく、お家の方々を応援しお家の方に「指  導・指示・説教」をお願いする。  ☆良い事は「連絡帳」 ★悪い事は「口頭」
5.コロナ禍の今だからこそ
 コロナ禍の影響で、今後、いじめが増えることも懸念されています。NPO法人「共育の杜」の調査によれば、コロナ禍の影響によって9割の教職員が「今後いじめが増える可能性が高い」と回答していました。
 子どもがいじめで苦しんでいる場合、どうしたらよいのか。私の考えを言えば、SOSを受け取った大人がいち早く、問題の現場から子どもを切り離し、安全を確保してもらいたいと思います。子どもが学校を休めば「社会性や学力が身につかない」と不安視される方もいます。しかし、いじめを受け続けて身につくのは学力や社会性ではありません。憎しみや自己否定感です。親や先生に訴えても救ってくれなかったという不信感です。私はたくさんのいじめ経験者に取材してきましたが、避難が早かった人ほど、心の回復は早い傾向がありました。


6.人の言動は全て「脳」からの発信 ~「ドーパミンを授業の中で」~   ◎学校生活で一番長い時間を占める授業を大切にする。
     授業で一人一人を満足させる!
(1)脳内物質・神経伝達物質・成長ホルモン
 ①アドレナリン………→身体活動を高める
 ②ノルアドレナリン…→集中力が高まる
 ③ドーパミン…………→意欲ややる気を高める
 ④セロトニン…………→人の感情をコントロール
 ⑤メラトニン…………→細胞の酸化を防ぐ

分かった瞬間に「微笑む」ドーパミンが出て意欲が高まる。

(2)ドーパミン
・ドーパミンは意欲ややる気を高める興奮系の神経伝達物質の 一つですが、楽しい気分の時に増えます。笑いもその一つです。ガン細胞を攻撃するNK細胞の活性化と同様、作り笑いでも分泌促進効果があります。そうすると脳が笑ってると認識してくれます。
(3)セロトニン
・現代病と呼ばれる鬱病やパニック障害は、セロトニンの不足が病気の発症の一つの要因と言われています。セロトニンは、脳内で分泌される物質の一つで、別名幸せホルモンと呼ばれています。セロトニンがしっかりと分泌されている人は、感情のコントロールが適切に保たれ、ストレスに強いと言われています。
・朝早い時間に太陽の光を浴びることで、脳が刺激されセロトニンの分泌量が多くなります。
(4)大切にしたいこと 
①朝日をたっぷり浴びよう 
②規則正しい生活習慣、生活リズムをつくろう
③バランスの良い食事をとろう 
④リズミカルな運動をしよう 
⑤ポジティブシンキングをしよう
7.子ども一人ひとりに成長を実感させる
(1)子ども達一人ひとりに「ドーパミン」を出させるため、教師ができることに取り組む。

①道徳の「自分の良いところ見つけ」「友達の良いところ見つけ」
 ・1学期と比べて   
 ・1学期~2学期と比べて 
 ・前と比べて
※ 子ども達同士も効果的ですが、教師からの言葉かけが重要です。

②その時・その場を利用して「姿勢・態度・言動・行動の成長」を全体に広める。
  ・個々であっても良い。
→「○○さん、宿題やってくるようになったね。」 
  ・集団であってもよい。
→「1学期と比べ、宿題をやってくる人が増えたね。」

③「成長を実感させる」→「嬉しい」→「微笑む」→「ドーパミン」→「意欲の向上」

(2)学期の始まりは新しいスタートが切れる時期。
 「過去の自分と未来の自分」を意識させドーパミンを出させるために「自分の成長」を実感させる。
 小学生時代に、学校に来て誰かの指示通りに動いていたのでは、「脳」の成長に十分な刺激は与えることはできません。
 子ども達一人ひとりの「主体性」が発揮できる学校・学級生活を保証する教師のかかわりが、今後益々求められますので頑張ってください。 
 
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