オフィス「和み」

ネットで「小学校教育」を支援・助言します。

水泳指導「浮く」
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1.「ビート板」沈め

① 両手でプールの底にくっつける。
 ・ビート板は、浮かべた姿勢のまま、両手でプールの底まで沈めさせる。
 ・なかなか沈まないことを体験させる。

②浮くことも大切だが、沈むことを経験させると 「沈まないものだ」ということを体得させる。

※ 沈まないことを体験した後、「いろいろな浮き方」に挑戦してみましょう。最初はビート板を持って「浮く」ことを体感させ、「ビート板なし」でもできるようにチャレンジさせてください。



2.「ジャンケン列車」

①ジャンケンして5~6名になったら、競走をする。 距離としては「プールの横幅ぐらいの長さ」で競走させる。バディで競争するのもOKです。

②競走が一段落したら、1本の列車になるまで「ジャンケン列車」を続ける。


3.1つの輪になって「洗濯機」

①右回り←→左回り…流れる水を感覚を体験する。

②「手をつなぐ」時は、相手の手首を持つと切れない。(ヒューマンチェーン)

4.ジャンケンおんぶ

①おんぶする人は、肩まで沈んで歩く。

②水の抵抗を体感する。

    

5.相手を引っ張る

①引く人は、手の平を上にして相手の手を持つ。
 ・相手が沈まないように、後ろに倒れるようにして早く引っ張る。

②引かれる人は、手のひらを下にして、腕を伸ばし、体を水平にする。
 ・顔をつける時は、「息を止めず、ウゥ~ッ」と言わせる。
 ・「顔を上げる」時は「パッ」と、言わせる

      

6.「けのび」姿勢と「呼吸練習」姿勢

①「腕・腰・足を伸ばす」姿勢づくり。

②「あご」は、水につける。

③「口」は開けておく(口で呼吸する)。

※ 次の段階として、「手をプールサイドに置き、ビート板に足を乗せる」姿勢を体験させたい。しかし、とても難しい。そこで、バディ(2人組)になって一方が「相手の足をビート板」に乗せてやればよい。

   

7.「呼吸練習」

①このままの姿勢で、顔を水につけて1・2・3の間「ウ・ウ・ウ」と言わせる。そして 4で顔を上げ「パッ」と言わせる。水中で息を吐かせる体験を積み重ねる。

②「1・2・3・パッ」を1セットとして、10回~20回練習する。

※ 泳げる最大のコツは「呼吸ができる」である。呼吸が苦手な子の多くは、顔を水につけた時は息を止め続け、顔を水面に出した時に「息を吐き、息を吸う」の両方を行う。顔が水面より上がっている時間は短いので、「吐く・吸う」両方の動作を行うとタイミングが遅れ、泳ぎのリズムが乱れ、その結果「水」を飲むことになる。
※ 顔をつけている間に「息を吐き」、顔を上げた瞬間に「パッ」と言わせる。肺の中の空気の量が少なくなると「パッ」と言っただけで息は入ってくる。。

   

8.「けのび」…ビート板を持って

 → 

①かべをけって、のびる。→「けのび」

②「顔を水につけない」で練習させる。

③「顔を水につけて」練習させる。

④「どちらが長く進むか」を体感させる。

9-1.「けのび」…ビート板無し

※ 息を止めない。・ビート板がなくてもけのびができるようにする。

 
9-2. 「けのび姿勢」から「立つ」練習

① 「ふしうき(けのび姿勢)」から、両手は後ろにかく。と同時に、② 両膝を胸につける→立つ。

10.バタ足

①「けのび姿勢」を忘れない。

②ひざは、曲げて→伸ばす。

※ 進まない子は、指導者がひざを持って、バタ足させる。

③バタ足で25m進めるようにする(顔をつけて、「呼吸」をしながら進む)。

         

11.「サメ」でバタ足


①縦にしたビート板を両手で持たせる。

②呼吸練習を忘れない。

③顔を上げると、沈む感覚を体得させる。(沈みそうで、沈まない)

             

教師のための水泳指導

 ・  

 1学級が30名前後の子ども達に対して、指導者は教師1名が現状である。2学級同時に入水する場合は、ビート板は2名に1枚程度となる。
 そこで、「バディ(2人組)」で、交代しながら運動させる方法をお勧めします。

 上記の2写真は、「おんぶ」と「手で引っ張る」運動です。教師が30名を相手に手を引っ張っていると、子ども達の待つ時間が長くなります。子ども達同士ですからあまり上手に引っ張れませんが、待ち時間がなくなると同時に、人間関係づくりにも役立ちます。

 

 バディで行う方法を取り入れると
 や 

 ①「左」の場合は、プールサイドに足をかけずに「一人が相手の足を持つ」ことにします。
 ②「右」の場合は、①同様で、「一人が相手の足を持って押して進む(歩く)」ことにします。

 また、一方が運動している時、もう一方は「評価(できているか)」を観させ、アドバイスさせることもできます。その場合、その運動で注意することが明確になっていなければなりません。子ども達に注意点を明確にするためには、教師の教材研究が必要になります。

 例えば「上記の①②」の場合は、
 ・姿勢が伸びているか。気をつけの姿勢になっているか。
 ・顔をつけた時、息を吐いているか。         
などを「評価の視点」とすることができます。

<教師としての配慮>
  バディは人数把握などの安全確保に有効ですが、次のようなことに配慮してください。
 ・「おんぶ」する時に、相手の首を絞めてしまう。
 ・相手のビート板がはずれた時には、「足を持っていた足」を離す。
 ・相手を信用する。いっしょにやってみよう。
 などを、運動する前に子ども達に気をつけるように指導しおいてください。抽象的な言葉で言うと、水泳学習では「ふざけない」ことです。

T 今日のバディを決めてください。命を守る学習ですから、ふざけてしまう相手ではなく、いっしょに頑張ろうと思う相手にお願いしてください。お願いされたら、断らないこと。

      こんな教師の言葉かけが、学級を学習集団に成長させるのです。





 中学年担当の先生は、このページを基本として授業に取り組んでいただければ幸いです。ですが、水に対する恐怖感を克服していな子がいたとしたら、「水慣れ」を参考にしてください。

 中学年の目標は、「姿勢(水面に対して平行な姿勢→真っ平らな姿勢)」と「呼吸(水に顔をつけている間は息を吐く)→(水面から顔を上げた時、パッと言う)」です。

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