オフィス「和み」

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くじらぐも
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はじめに

1年 国語「下」 くじらぐも教材研究

 授業は生き物です。料理に例えられます。食べる側の子ども達が美味しくいただけるための工夫が教材研究ですね。一人でも多くの子ども達が美味しくいただける料理にするため、「児童の思考の流れに沿った展開が意欲を高める」と私は思っています。
 どちらかというと敬遠したくなる国語の授業を日々大切にしようと、挑戦する先生方に敬意を表し、山下流の授業展開を紹介します。参考になれば幸いです。


Ⅰ 光村図書ホームページ「年間指導計画」より

1.単元名~教材名~    こえに だして よもう ~くじらぐも~

2.時数 10時限(読⑦・書③)

3.主な指導事項◎○・  言語活動■   学習指導要領との対応◆
◎場面の様子を想像し,その様子が表れるように声に出して読むことができる。
○書いたものを読み合って,よいところを見つけて感想を伝え合うことができる。
・かぎ(「 」)の使い方を理解することができる。
■想像を広げて物語を読む
◆読(1)ア・ウ・エ,書(1)オ,伝国(1)イ(オ)

4.学習活動(時数)
(1)①扉の詩を読み,目次を見て下巻の国語学習を見通す。
  ②単元名から,学習のめあてを確かめる。
  ③題名や挿絵からどんなお話かを予想し,発表する。
  ④教師の範読を聞き,お話の大体を読み取る。

(2)⑤子どもたちが「くじらぐも」と出会い,飛び乗ることになった様子を読み取る。

(3)⑥「くじらぐも」に飛び乗ろうとする子どもたちの様子とそれを応援する「くじら   ぐも」の様子を動作化しながら読み取る。
  ⑦会話文のところを工夫して音読する。

(4)⑧「くじらぐも」に乗った子どもになって,会話を想像して発表したり,吹き出し   に書いたりする。

(5)⑨「くじらぐも」と別れる子どもたちの気持ちを想像して読む。

(6~7)⑩好きなところ,友達と声を合わせて読みたいところを発表し,音読する。

(8)⑪P16の文を視写する。

(9)⑫「くじらぐも」にあてた手紙を書く。

(10)⑬手紙を読み合い,感想を交流する。

5.評価規準
【関】想像を広げて物語を楽しもうとしている。
【読】・だれが,何をしたかを理解している。(1)ウ
    ・登場人物の行動について感想を表している。(1)エ
   ・好きなところを指摘したり音読したりしている。(1)ア
【書】書いたものを友達と読み合って感想を伝えている。(1)オ
【言】会話はかぎ(「 」)を使って書いてあることを知り句読点やかぎを正しく用い    て書いている。(1)イ(オ)

6.生活や他教科で生きる力/道徳や他教科等と関連する題材
【道徳】想像力を育てる題材


Ⅱ 教科書より

7.教科書リード文   こえにだしてよもう

8.用語指導 だいめい(題名)とさくしゃ(作者)


Ⅲ 山下流を考える!

9.学習課題の設定条件
   A…叙述に書いてある場所が明確になっている。
   B…考える事柄(主体・主語)が明確になっている。
   C…子ども達の意識に沿っている。
  上記の「A・B・C」を基に<課題>で「言語活動が成立できる」第二次の展  開を考えてみました。

10.初発の感想→あらすじ
 P…初発の感想「くじらぐもに乗ってみたい。くじらぐもと遊んでみたい。」
 T…乗れた子ども達はいるの?
 P…1年2組の子ども達と先生。
 T…お話のどの辺り?
 P…前の方。前はまねしているよ。空を進んだのは終わりの方。終わりはもどっ   てきたよ。
 感想を出し合いながら、子ども達とこのようなやり取りをして、あらすじをつかませる。さらに、大体の場面を設定する。

 ①まねするくじらぐも
 ②そさうくじらぐも
 ③飛び乗る子ども達
 ④空を進む子ども達
 ⑤くじらぐもとのお別れ
  教室に「あらすじ」と「場面名」を掲示すると、授業の流れがはっきりする。さらに、学習で様子を想像したことを付け加えていくスペースを確保しておく。


11.学習課題
 ・言語活動「様子を想像し音読で表現する」が成立する学習課題


(1)第二次1時
 ・動作をまねるくじらぐもの「様子を想像し音読で表現する」

T…今日は、何場面のお勉強かな?
P…「学校が好きなくじらぐもさん」です。
T…勉強する前に1度読んでみよう。
P…音読する。
T…「学校が好き」だと何ページで分かったのだった
   →考える足場(線を引かせる)
  今日は<くじらのどんな様子を見たから?>をみんなで考えて、勉強した後 もう一度声に出して読もうね。
  ※「子ども達」と「くじらぐも」を分けて音読する。


(2)2時
 ・ことばをまるねくじらぐもの「様子を想像し音読で表現する」

T…昨日は「学校が好きなくじらぐもさん」を勉強したね。今日は何場面のお勉強かな?
P…「飛び乗ろう」とする場面です。
T…勉強する前に1度読んでみよう。
P…音読する。
T…「飛び乗ろう」と言ったのは何ページだった→考える足場(線を引かせる)
  今日は<どうして、飛び乗りたくなったのか?>をみんなで考えて、勉強した 後、もう一度声に出して読もうね。
  ※両者「会話文」の後に付け加える言葉を想像する。


(3)3時
 ・飛び乗るために頑張る子ども達・応援するくじらぐもの「様子を想像し音読で  表現する」

T…昨日は「飛び乗ろう場面」を勉強したね。今日は何場面のお勉強かな?
P…「がんばる」場面です。
T…勉強する前に1度読んでみよう。
P…音読する。
T…がんばって、乗れたのかな
P…のれたよ。
T…何ページの何行目に書いてあるの→考える足場(線を引かせる)
  今日は<どうして、飛び乗れたのか?>をみんなで考えて、勉強した後、もう 一度声に出して読もうね。
  ※子ども達の頑張りとくじらぐもの応援+風も力を貸してくれた。


(4)4時
 ・空を進む中で子ども達が目にした「様子を想像し音読で表現する」

T…昨日は「頑張って、飛び乗れた場面」を勉強したね。今日は何場面のお勉強かな?
P…「お空を進む」場面です。
T…勉強する前に1度読んでみよう。
P…音読する。
T…鯨雲に乗って、みんなは何をしていた?
P…「うたをうたいました。」
T…何ページの何行目に書いてあるの?→考える足場(線を引かせる)
  今日は<どんな歌を唄ったのか?>をみんなで考えて、勉強した後、もう一 度声に出して読もうね。
  ※子ども達が目にしたものを歌詞にする。


(5)5時
 ・さようならを交わす子ども達とくじらぐもの「様子を想像し音読で表現する」

T…昨日は「お空を進む場面」で歌を考えたね。今日は何場面のお勉強かな?
P…「お別れの」場面です。
T…勉強する前に1度読んでみよう。
P…音読する。
T…みんなは何て言ったの?
P…「さようなら」
T…鯨雲は何て言ったの?
P…「さようなら」
T…何ページの何行目に書いてあるの→考える足場(線を引かせる)
  今日は<「さようなら」の後、どんな気持ちだったのか?>をみんなで考えて 勉強した後、もう一度声に出して読もうね。
  ※子ども達・くじらぐもの両者になって想像させる。
    ↓
  お手紙につなげる。
    ↓
  好きな場面の音読。



 おおまかな展開ですが、子ども達の実態や教師の求める授業などを再考し、指導者が最終調理を仕上げてください。
 可愛い子ども達の楽しそうに学習している姿を見たいですね。

参考になれば幸いです。

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