~授業力は「自分流」の免許皆伝!~
自分が創り上げたい授業のイメージができている人は幸せである。
しかし、まだイメージを持ってない人は、他の先生の授業を数多く観る。自分が気に入る授業スタイルが見えるまで何度も授業スタイルを変えてみる。などなど、自分流の授業スタイルを発見するために努力を積み重ねる必要がある。そこで、今回は「自分の授業スタイル」と「書くこと」を関連づけてみましょう。
1.授業スタイル「課題(問題)解決的学習」編
(1)素材の提示( 前時の学習をふり返る)
自分の学級の子ども達は、何に興味を示し、どんな活動に意欲を燃やすのかを把握する。前時をふり返ると、前時の授業の定着度が明確になる。
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(2)課題設定(本時の課題を確かめる)
子ども達が考えたい課題になっているか。
①疑問から発生した。
②矛盾性がある。
③対立している。
④変化がある。
⑤選択で選んだ。 どれかの要素を含んでいる。
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(3)思考時間の確保(一人で・二人で・グループで)
課題に対して、自己決定の場にする。 他の人達と相談だけでは思考が見えないので書くことが大切である。ノートには、「始めの考え」と題して思考を記録する。
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(4)各自の考えを出し合う(課題に対して話し合う)
「出し合う」と「話し合う」とは学習レベルが異なる。課題を意識しながら答えを導こうとする活動は話し合いと考えても良い。しかし、出し合うことができる学級集団づくりは重要である。
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(5)考えをもう一歩深める
(曖昧を明確に!不確かを確かに!根拠を提示!)
この学習が成立している学級は、活用力が育つ学級である。教師としては授業の一番難しい活動である。
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(6)まとめる(確かめプリントをする・ノートにまとめる)
「終わりの考え」と題してノートに記録させる。ふり返りは、「すっきりしたこと・スッキリさせてくれた人」など、学級づくりで大切にする項目を入れる。
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(7) ふり返る( 次時の課題を予告する・確かめる)
教師だけが学習を進めるのではなく、学習の主体者は子どもであるから、予告しておくことは子どもを 大切にすることにつながる。
2.書くことを大切にする
書く活動との関連は「日々の授業で、子ども達に書く活動をどう位置付けるか」である。上記の場面に下記の活動を位置付ける授業は、展開できるのかを実践で検証する。
①「身につけたことを生かして書く」…自分の考えを書く
・子ども達が自分の考えを書くための「課題設定」の工夫。
②「考えをもう一歩深めさせるために書く」…深まった考えを書く
・子ども達が深まった考えを書くための「意見・考えの関係づけ(共通部 分・相違部分など)」 の工夫。
③「かかわり合いが生きる活動の工夫」…まとめ・ふり返りを書く
・子ども達がまとめやふり返りを書くための「時間の確保」の工夫。
①から③を45分間の授業の中で、成立させられるのか。書く活動の重視という観点では、授業研究の視点として話し合っていく必要を感じる。小学校授業の1時限「45分間」で、どの活動を入れることができるかが、指導力の差となる。
3.教材研究は「料理」に
教科書に素材や材料はある。しかし、そのまま食卓に出した場合、何人の子ども達が食べることができるかを考え、一人でも多くの子が美味しいと言って食べるように「調理・味付け・盛りつけ」など工夫が必要である。まさしく、それらが教材研究である。
調理する場合に気をつけなければならないことは、自分の味を押しつけないことである。勉強は誰がするのか?と問えば、子ども達である。当然のことである。しかし、一人一人の子どもには人格が存在している。子ども達の人格を無視するような調理は、学年が上がって行くに連れて受け付けなくなる。
4.教材研究への意欲は
子ども達が美味しく食べられるように調理し、満足する子ども達の表情を見ることができれば、次の教材研究の意欲がわいてくる。しかし、物質的に恵まれた現代の子ども達は、なかなか美味しいと言わない。
だからこそ、「食べないのは、子ども達の食欲がないから」などと言わず、自分流の調理方法を確立させるために頑張りましょう。
3月に別れる子ども達の成長を願って!
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