オフィス「和み」

ネットで「小学校教育」を支援・助言します。

水泳指導「ウォーターワールド」
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 K市立M小学校で実践した「サマースクール~ウォーターワールド~」を紹介します。スタッフ的にも環境的にも恵まれた中での取組でした。参考になるものがあれば幸いです。


1.準備運動(体操)と目標設定

①ウォーターワールドの目標を知らせる。
 ・水に潜って出てきた時、「パッ」と言う。

 ・怖くない人は、水の中で目を開ける。



2.水浴び


①シャワーではなく、ベビープールに入れた水で水浴びをする。

②ミニバケツで頭から、水を浴びる。
・「呼吸の仕方」を再度指導。口から吸って、鼻から「ウ~ウ~」と言わせて、息を吐く。特に、目標の「パッ」を言わせる。

※ 天候が良くない時、シャワーの水は冷たいのでプールの水で汗を洗い落とすと良い。水が嫌いな子の理由の大部分は、「冷たい」である。



①プールサイドに腰掛け。②水を胸にかけ、③プールに入る。
写真の左から①→③の順番です。教師は子ども達の前にプールに入ります。

3.鬼ごっこ

 ・ →プールサイドへ!


①先生が鬼になって、子どもを捕まえる。

②捕まえた子どもをベビープールに入れてプールサイドへ上げる。
 ※ 水の中を走り、水の感覚をつかませる。

4.ビートボード

 ・ 


①大きなビート板に子ども達が乗る。

②プールの横くらいの距離を先生が引く。
 ・波をおこすことで、ビートボードが揺れる感覚をつかんだり、途中で落ちて水の中に潜ったりすることを体験させる。  

※ 途中で滑り落ちて水中に潜り、目を開けられたり、「パッ」と言えたりすることなので、ベビープールより大きなビート板がよい。


 

   

5.すべり台


①水をかけて滑らせる。

②水の中に潜ることになるので、「パッ」と言う ことを再度指導する。

③滑り方は、いろいろと。ただし、危険な滑り方は、 絶対させない。

6.輪くぐり


 ・  ・ 

※「もぐる」ことは、水遊び最大の難関であることを、先生が理解して指導しすることが大切である。だから、子ども達一人一人を賞賛したり激励したりすること。


①顔を水につけられる。
②息を止められる。
③鼻から「ウ~ウ~」と言い息を吐く。
④「パッ」と言える。
⑤目を開けられる。

上記の①~⑤ができて、もぐるが完成する。

 輪くぐりができない子は、個別に指導が必要である。5つの動作を1つずつ行わせ、つまづきを明らかにし、指導することが大切である。

7.色おに

 ・ 


①先生が指定した色の輪に入る。

②先生がオニになって、「おにごっこ」をする。

※ 子ども達の輪くぐり(もぐる体験)の回数が増えるようなゲームがよいので、いろいろと工夫する。

8.学習のふり返り


①今日の目標を確認する。
②「パッと言えた人」は、手を上げる。
③「水中で目を開けられた人」は手を上げる。
④その他、「楽しかった人」「新しい発見をした人」「成長した人」など、一人一人の成長に賞賛を与える。
⑤次のステップ「浮く」を伝え、水泳に対する意欲を高める。
 

 体温の低下で風邪をひくことが多いので、「整理運動・整理体操で体温を上げる」ことを指導者としては理解しておいてください。体温上昇には「スクワット」をお勧めします。


  どの教科指導でも「教材研究は重要」です。M小学校の先生方と取り組んだこの実践が低学年(特に1年生)の担任の参考になれば幸いです。

 この他、金魚すくいの「ポイ」と「水鉄砲」を使ったゲーム!


・頭につけた「ポイ」を「水鉄砲」で穴をあけるゲームです。
・目標は「水が顔にかかっても、ぬぐわない「ふかない・泣かない」と設定し、後で評価します。       
・水鉄砲の水で目を怪我させないために、「ゴーグル」や「理科用の防護メガネ」を使用してください。
・「ポイ」は水泳帽子に布製ガムテープで貼りました。子ども達は最高に楽しかったようです。

※ 水が怖い子は、しっかり見られないので穴をあけられるようです。「顔に水かかかる体験」を積ませたいので、「ポイ」はたくさん用意してください。そして、水泳帽子に何度でも「ポイ」をつけてチャレンジさせる体験ができるように、教師は配慮してください。

 水泳は命を守る学習です。水に対する恐怖感を取り除かなければ、先へ進めないのです。低学年の先生方にお願いします。水に対する恐怖感を一人でも多くの子ども達から取り除いてください。教師のアイディア次第で、子ども達は前へ進めるのです。

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