オフィス「和み」

ネットで「小学校教育」を支援・助言します。

子ども達へ伝えたい話
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 子ども達に伝えたい話  第一弾!
~減るものと増えるもの~

 あなたが持っているものの中には、「使うと減ってしまうもの」と「使うと増えるもの」とがあります。
 お金は減ってしまうものの仲間です。鉛筆や消しゴムも減ってしまいます。自分が使っても友達に貸しても、使えば減ってしまいます。
 では、使えば増えるものとは、何なのでしょうか。

 その一つが体です。体は使えば使った分だけ丈夫になります。つまり、体力が増えます。また、頭脳(頭)もそうです。脳を使えば使った分だけ働きがよくなります。脳に「しわ」が増えるのです。ですが、頭も体も勝手に動くのではありません。動かそうとする心があるから自分の意志で動かせるのです。この意志「心や気持ち」こそが、使えば使うほど増えるものなのです。
 親切にすれば「親切にする心」が増えます。誰かに親切にしたからといって、心が減ることはありません。逆に、心が豊かになってきます。辛い時に頑張った心は、辛いときに頑張れる心に成長していきます。

 心や気持ちは使った分だけ成長します。つまり、増えます。しかし、増やさないでほしい心もあります。
 人を憎む心・他人の責任にする心・すぐあきらめる心などです。人を憎めば憎むほど、「憎む心」が増えます。他人の責任にしてしまったり、すぐにあきらめたりすれば、絶対、豊かな心は増えません。

 そんな心は、見えません。「出せ」と言われても出せません。しかし、心は感じることができます。心を感じさせるものの代表的なものは、「顔の表情」です。そして、「言葉遣い」です。豊かな心が、増えた人の表情は、豊かなものに感じるはずです。そして、言葉遣いも豊かになっているはずです。

 私達人間は、たった一人で生活しているわけではありません。多くの人々が集まって生活しています。現在も未来も多くの人と共に生活しなくてはならないのです。人々が、増やしてもいい心を使って生活していけば、素晴らしい社会が完成します。
 誰かがするのではなく、この話が分かった人達から始めましょう。私たちの〇年〇組に豊かな心の輪が少しずつでも広がっていけば、素晴らしい学級生活を手に入れることができるのです。


 十年以上前だったと記憶しています。生徒指導関係の講演会で、その当時「東京都足立区立第一中学校校長 関根 正明先生」のご講演を拝聴する機会を得ました。その内容に感動し、その当時の私の思いや願いも含めて作成した文章です。関根校長先生のご講演の意図を伝えられているかどうかは、自信がありません。ですが、私が校長として送り出した子ども達の卒業文集に、必ず書き残してきた文章です。なお、卒業文集の場合は、最後に「小学校を卒業し、中学校に進む君達だからこそ、理解し実行してほしいです。ご卒業、おめでとう。」と変更してあります。
 


第二弾!
~子どもは、いつまで?~

 小学校高学年の担任になった時、必ず話す(考えさせる)ことにしています。思春期の時期で成長する子ども達にとって、家族に対する心の揺れが悪態につなることがあります。自分が歩んできた道でも同様のことがありました。そんな時期に、「子どもは、いつまで?」を考えさせ、一段成長させたいと考えたからです。

 ある学校の高学年の担任の先生が、子ども達に課題を出しました。その課題とは<子どもは、いつまで?>でした。
 学級の子ども達は、
①二十歳まで。理由→お酒や選挙権が与えられるから。
②18歳まで。理由→自動車の免許がとれる。
③仕事をするまで。理由→自分でお金を稼いで生活するから。
④高校を卒業するまで。理由→義務教育を終えるから。
⑤結婚するまで。理由→自分の家庭をもつから。
⑥子どもが誕生するまで。理由→自分が親になるから。
など、いろいろと意見を出しました。

君たちは、①~⑥のどれだと思う。また、その他にあるかな。

 その担任の先生は、子ども達が考えた①~⑥全ては少しは正解しているが、「完璧な答えではない。」と言ったのでした。担任の先生は、
「高校を卒業し二十歳で社長になり、自分で稼ぎ、子どもが誕生した人は、子どもではないのかな」とね。
 その時、ある子がつぶやいたそうです。「自分が親になっても、まだ、子どもなの?」と。先生は続けました。
「そうだね。自分が親になっても、まだ子どもです。そこまではいいね。では、誰の子どもなのでしょうか。」

 もう分かった人もいることでしょう。

君たちで分かった人は、いるかな。


 それは、自分の両親が亡くなるまでなのです。自分の親が亡くなったとき、子どもが終了するのです。それまでは、どんなに年をとっても、地位が高くても、お金を稼いでも、親がいる限り自分は子どもです。親から心配される存在なのです。
 君たちは、小学生だから親の心はまだまだ理解できないと思うけれど、お家の人にとっては、君たちはいつまでも子どもだということを理解しておいてね。と話したそうです。

 
そして、担任の先生は最後に、「今日の宿題は、お家の人に感謝したいこと。作文用紙2枚で書いてくること。」と言ったそうです。

 この後、宿題として「作文用紙2枚」を出したことは、言うまでもありませんね。母の日。父の日。勤労感謝の日など、お家の方々に視点を当てたい時期に取り上げると効果的です。なお、「両親」とか「父母」という言葉を使わず「お家の人」を使うことをお薦めします。

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